PHQ-9とは

PHQ-9は「Patient Health Questionnaire-9」の略称です。 抑うつ症状の有無や程度を確認するために作られた、 9項目からなる自己記入式の質問票です。

回答者は、この2週間に特定の状態がどのくらいの頻度で あったかを、4段階から選択します。 各回答に0点から3点が割り当てられ、 9項目の合計点を計算します。

合計点は0点から27点です。 点数が高いほど、回答時点で抑うつに関連する症状を 多く、または頻繁に感じている可能性が示されます。

PHQ-9の原著研究では、質問票の信頼性や妥当性が検討され、 合計点と症状の程度との関連が報告されています。 また、日本語版についても、日本のプライマリケアを対象とした 検証研究が行われています。

PHQ-9で確認する内容

PHQ-9では、この2週間に経験したこころや身体の変化について 確認します。

主に、次のような状態が質問の対象になります。

  • 物事への興味や楽しさを感じにくい
  • 気分が落ち込んだり、希望を持ちにくくなったりする
  • 寝つきにくい、途中で目が覚める、または眠りすぎる
  • 疲れやすい、気力がわかない
  • 食欲が低下する、または食べすぎる
  • 自分を責めたり、自分には価値がないと感じたりする
  • 読書やテレビなどに集中しにくい
  • 動作が遅くなる、または落ち着かず動き回る
  • 死や自傷について考えることがある
本サイトのセルフチェックについて

本サイトでは、PHQ-9の項目に基づいた独自の日本語表現を 使用しています。検証済みのPHQ-9日本語版を そのまま転載したものではないため、 結果は参考情報としてご覧ください。

点数の計算方法と目安

それぞれの質問について、状態があった頻度に応じて 0点から3点を付け、9項目の点数を合計します。

  • まったくなかった:0点
  • 数日あった:1点
  • 半分以上の日にあった:2点
  • ほとんど毎日あった:3点

一般的には、合計点を次のような目安に分けて 考えることがあります。

PHQ-9の点数の目安
  • 0~4点:ごく軽い範囲
  • 5~9点:軽い範囲
  • 10~14点:中程度の範囲
  • 15~19点:やや重い範囲
  • 20~27点:重い範囲

原著研究では、5点、10点、15点、20点が 症状の程度を分ける目安として示されています。

日本語版の検証研究では、10点以上を基準とした場合に、 大うつ病性障害を検出する感度は90.5%、 特異度は76.6%だったと報告されています。

ただし、これは研究対象全体における統計的な結果です。 10点以上なら必ずうつ病である、または9点以下なら 問題がないという意味ではありません。

点数だけでは診断できない

PHQ-9は、こころの状態を確認するための スクリーニング質問票です。 セルフチェックだけで、うつ病その他の精神疾患を 診断することはできません。

同じ点数でも、症状の原因や生活への影響は 人によって異なります。 睡眠不足、身体疾患、薬の影響、強いストレス、 環境の変化などが回答に影響する場合もあります。

医学的な診断では、質問票の点数だけでなく、 症状が続いている期間、日常生活への影響、 身体の状態、生活環境、過去の病歴などを 総合的に確認します。

点数が低くても相談して構いません

合計点が低い場合でも、本人が強いつらさを感じていたり、 学業、仕事、家事、人間関係などに支障が出ていたりする場合は、 医療機関や相談窓口へ相談して構いません。

相談を検討したい場合

気分の落ち込みや意欲の低下が続いている場合、 または生活に支障が出ている場合は、 医療機関や専門家への相談を検討してください。

特に、死にたい、消えてしまいたい、 自分を傷つけたいという気持ちに少しでも当てはまる場合は、 合計点だけで判断せず、一人で抱え込まないことが大切です。

家族や友人などの身近な人、医療機関、 学校や職場の相談窓口、公的な相談機関などに 今の気持ちを伝えてみてください。

緊急の場合

今すぐ自分を傷つけてしまう可能性があるなど、 差し迫った危険がある場合は、119番へ連絡するか、 近くの救急医療機関を利用してください。

厚生労働省「まもろうよ こころ」では、 電話やSNSで相談できる窓口が案内されています。

厚生労働省「まもろうよ こころ」

まとめ

PHQ-9は、この2週間の抑うつに関連する状態を 9つの質問から振り返るための質問票です。 合計点は0点から27点で、症状の程度を考える際の 目安として使用されます。

一方で、PHQ-9の結果だけで病気の有無を 診断することはできません。 点数にかかわらず、つらさが続いている場合や 日常生活に影響が出ている場合は、 医療機関や相談窓口の利用を検討してください。